ゆきのペイント
さらっしゅ さらっしゅ
らっしゅっしゅっ
あの まち あの いえ ぬりましょう
ゆきの ペイント たのしいな。
ゆきの こびとさんたちの、うたです。
しろい ぼうしに しろい ふく、しろい ながぐつを はいた、ゆきの こびとさんたちは、たかい おそらに すんで います。そして よるに なると、おおきな 六かくけいの ぼうえんきょうで、とおい じめんの うえを みるのです。
すると、とおい じめんの うえの、おうちや ひとの すがたが、つい 五・六メートルさきの ように、はっきり うごいて くるのです。
こびとの らちゃんが いいました。
「あそこに、いいこが いるぞ。」
みると、ぼんやり した あかりの したに、ふたりの こどもの おつむが、なかよく むきあって、なんか、おはなし して います。
「みぎへ みぎへ、みぎまわし!」
ぼうえんきょうを、みぎへまわせば、とおい じめんの うえの おとや、はなしごえも はっきり きこえて くるしかけに なって います。こびとさんたちは、ぼうえんきょうを、みぎへ まわして、ふたりの はなしを ききました。
「おにいちゃん、おかあさんは、こんやも、おそいのねえ。」
「うん、また きっと、おつとめさきの うちに おきゃくさまが あったんだよ。おきゃくさまが あると、いつでも おそいからねえ。」
「おきゃくさまって、くる うちと こない うちが あるの? うちには、ちっとも こないじゃ なくて?」
「そうさ。うちにきたって、ケーキも、こうちゃも ないからさ。それでも、おとうさんが いた ころは、ときどき おきゃくさまが、あったっけ――でも、もう こんな おはなし、よそうや、その うち おかあさんも かえって くるよ。それより、もう ねようよ。ゆみの なかで、おきゃくさまと、あそぼうよ。」
ここで、ふたりの はなしごえは、ぷっつり きれました。あかりも、うすく なりました。
「ねえ、あの こどもたちの うちに おりて いこうよ。」
「そうだ、そうだ、いこう、いこう。」
ゆきの こびとさんたちは、それぞれ、からだに にあわない おおきな ブラッシを、かたから さげて、うたを うたいながら したへ したへ、レンズで みた、ふたりの こどもの すんで いる、おうちの ほうへ おりて いきました。
じめんの うえに おりると、よるは もう おそい。なんにも うごかない よるの まちです。
「ここだね。あの こどもたちの うちは? おや、おかあさんも、もうかえって ねむって いるよ。」
こびとの さちゃんが、四かくいまどから、なかをのぞいて いいました。おへやの なかでは、ふとんが ふっくら ふくらんで、三つのねがおが、なかよく ならんで います。
「さあ、しごとだ しごとだ。よるの ながれないまに、きれいに ぬろう。」
ゆきの こびとさんたちは、おおきな ブラッシを うごかしはじめました。たのしく うたを、うたいながら――。
さらっしゅ さらっしゅ
らっしゅっしゅ
ゆきよ とべ とべ はなに なれ
よいこの ゆめの はなに なれ。
らっしゅっしゅと、ブラッシの うごいて いく ところ みるまに、おうちは、ぎんの いろ、はだかんぼうの きには、ひかった はなを さかせます。
こびとの しちゃんが、いいました。
「ついでの ことに こわれた 三りんしゃも、なおして おこう。」
たっちん とっちん、こびとの しちゃんは なおしじょうず、三りんしゃを じょうずに てばやく なおすと、きれいな ぎんの 三りんしゃに なりました。
「さあ、これで いい。」
「なにもかも、きれいに ぬれたね。」
「あしたの あさ、こどもたちが めを さましたら、きっと よろこぶよ。」
こびとさんたちは、しごとが すむと、とても たのしく なります。
「さあさあ、よの あけないまに、おそらに、かえらなければ―」
ゆきの こびとさんたちは、ブラッシを かたに かけました。そして ふわふわふわ かるがると、おそらに のぼって、くもの なかに、はいりました。
まちの あさです。
ふたりの こどもは、めを さましました。
「あっ、ゆきだわ。ねえ、おにいちゃん、わたし ゆめの なかで、ゆきの こびとさんたちと、おうたを うたったの。」
「ぼくもねえ、おにわで、ゆきの こびとさんと じを かいたよ。(ふゆに、まけるな、がんばれ。)って――おおきな、おおきな しろい じだよ。」
ふたりの こどもは、ひとばんのまに ぬりかえられた、しろい おそとに、ぴゅうんと、とんで でたので ありました。
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